ミンメイで「萌え」の衝撃を受けた、アメリカの日本アニメ史。

前エントリでミンメイの事を書いてふとコレを思い出しました。
 
アメリカにおける、日本アニメの歴史(暗黒史?)を書いたこの本!!!!!
 

オタクinUSA  愛と誤解のジャパニメーション輸入史
パトリック・マシアス 町山 智浩
太田出版 (2006/03/06)
売り上げランキング: 20026
おすすめ度の平均: 4.5
4 アメリカン・オタクの青春史
5 疾走しつづけ、ちょっと悲しいアメリカのオタク
4 「キャンプ」の可能性

この本は、主に70~80年代の日本アニメがアニメでどのような形で放送され、翻訳され、時にはめちゃくちゃに編集され、アメリカ人の子供やアニメオタク達ににどのような影響を与えてきたのか、そして今どうなっているのか・・・といった、アメリカで現在起こっている日本アニメブームのルーツを追うような形で書かれた本・・・と言えばいいかな・・・?(あやふや)
最近よくある海外アニメブームを紹介している物ではなく、レッキとした「歴史本」っぽい本です(笑)

この本は70~80年代アニメが好きな人であればどれもこれも面白いエピソードばかりなので、どこを勧めたら良いのか若干説明しづらい部分があるのですが・・・かつて「萌え」に関わる仕事をしていた私個人が興味深いと思ったのはアメリカンオタクが受けた「ミンメイ・ショック」のあたりです。
 
 
何しろ、アメリカ人は日本のミンメイを見て、初めて「萌え」に出会ったというのですから(笑)
 

日本のアニメがアメリカに輸出される際、翻訳や吹き替えや時にとんでもない改変がされてしまって雰囲気ブチ壊し&ストーリーはメチャクチャ!なんていう話は度々耳にする話だと思います。
この本はそんな悲惨な歴史をたどった日本のアニメを面白おかしく書いて紹介しています。

そんな本の中で、マクロスのリン・ミンメイはアメリカで何があったというのか!
 
 
・・・バーガーキングでバイトしていた女の子をいきなり声優に起用したらしい(笑)
 
 
p.137~「ロボテックのリン・ミンメイでデカルチャ!」の部分をちょっと要約して紹介すると、
声優選びに悩んでいたら声の良い店員さんに出会ったのでスカウト、歌のライセンスを買わなかったせいで全然違うダサい歌を使用、その女の子が歌はあんまり上手くないという・・・微妙な感じに(笑)

しかしながらアニメ自体の人気はかなり高く、ヒーロー物とは全く違う善悪のはっきりしないストーリーが冷戦中の時代背景にマッチしていた事や、三角関係の恋が初の女性ファンを獲得するなど、そんな微妙さでもかなりの大人気だった模様。

で、劇場版が待ちきれなくなったファンが日本で公開された劇場版のビデオに字幕をつけて(要するに海賊版)サークルなどで上映、それを見てみたところ・・・そこには飯島真理が歌う「本物のミンメイの姿」があったという・・・!アメリカのオタクが萌えに出会った瞬間というわけです。(笑)
 
 
本当に愛好家たちがカルチャーショックを受けている姿が目に浮かぶような話ですよね(笑)
他のエピソードなどを読んでも、実際、日本版のマクロスを知らなくてもアメリカで放送されたマクロス(現地ではロボテック)に魅了されてアニメオタクになった人は多いらしいです。

日本ではガンダムが自身のオタク起源になっている人が多いのに、アメリカでガンダムといえば「W」であり、その昔には古いガンダムが放送されなかったので基本的にマクロスファンが多い、という歴史もこれまた興味深い話。ガンダムがなかったから、なんて意外な理由ですよね(笑)
 
 
でまぁ、そんな環境だったので、他にも宇宙戦艦ヤマトから日本的なものを排除して放送したり、ガッチャマンにR2D2モドキのキャラクターを差し込んでスターウォーズのアニメ版にしようとしたり、ウルトラセブンが翻訳でギャグだらけのめちゃくちゃなセリフにされていたり・・・といった事例が多数存在したわけで、『脚色されていない本物の日本のアニメが見たい!』と願ったアニメオタクが必死に日本語を勉強したり情報交換をしたり、日本のペンフレンドから字幕なしのビデオを送ってもらったりして日本アニメを開拓していった、という話にはすさまじいパワーを感じます。
例えばヤマトに感銘を受けて、999やハーロックを自力で開拓、とか。

ただ、妙な改変をされるにあたって・・・そうなった理由が、人種問題やバイオレンス、少女関連の表現の厳しさなど・・・様々な文化問題が浮かび上がってくるので、世界規模で表現する事&理解を得る事はこれまた難しい話だな、とエンタメ業界の厳しさを行間から感じたり。。。

最近アニメを世界に出せ出せと騒いでいるけど、そう容易なものでもないんだな、とね。
ただセリフだけ吹き替えればいいという物ではないという事を・・・。

 
海外のアニメ文化、コスプレ文化に興味がある人はとりあえず読んでおいて損はないと思います。
(ちなみに町山智浩氏のところにも内容がちょこっと書いてありますのでご覧あれ。)
 
 
さて、毎年恒例となってまいりました「世界コスプレサミット」が現在予選開催中です。
ちなみに今年はイタリア代表がちょっとばかし気になり中。
名古屋地区代表はまだ募集しているので私も出てみたいとチラッと思いつつ、過去にアマチュア限定の参加規制があった気がしたのでコスプレイヤーとしてはアマチュアだけども職歴の関係で気がひけている今日この頃。元職場発祥のイベントだしねぇ。。。うーん。

ちなみに今年は代表になるとアニメのアフレコに参加できるそうですよ!
やっぱちょっとオイシイですよねえ。(ちょっと気になってる)

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専門家や海外ジャーナリストのブログネットワーク【MediaSabor メディアサボール 】 - コスプレイヤーを取り巻くビジネスシーン:Vol.1 ─アニメエキスポ(Anime-Expo)2007 現地取材 (2007年7月17日 11:28)

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このページは、nksmが2007年6月11日 22:10に書いたブログ記事です。

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